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配偶者居住権は本当に得?メリットと見落としがちな「売却・贈与税」のリスク

配偶者居住権は、残された配偶者が自宅にそのまま住み続けられる安心感と、預貯金などの生活資金を確保できる仕組みとして、有効な選択肢の一つです。

例えば、夫が亡くなり、妻と子どもが相続人となるケースでは、妻が「配偶者居住権」を取得し、子どもが自宅の所有権を取得することで、妻は自宅に住み続けながら、預貯金などの財産を確保しやすくなります。

また、一次相続では、自宅の所有権を「配偶者居住権」と「所有権」に分けて相続することで、子どもが取得する所有権部分の相続税評価額を抑えることができます。さらに、配偶者の死亡によって配偶者居住権が消滅しても、その消滅自体について所有者である子どもに相続税が課税されることはありません。そのため、相続税対策の選択肢の一つとして検討されることがあります。

一方で、実際に活用する際には慎重な見極めが必要です。

子どもが自宅の所有権を持ち、配偶者が配偶者居住権を持つ形にしてしまうと、将来的に配偶者が自宅を売却して老人ホームの入居資金などに充てたいと考えた場合、マイホームの3,000万円特別控除を配偶者は使えなくなります。

また、生前に配偶者と自宅の所有者との合意などによって配偶者居住権を消滅させる場合、所有者が適正な対価を支払わなければ、配偶者から所有者への贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性もあります。

「この家にずっと住み続けるのか」「将来的に売却する可能性があるのか」「老人ホームへの入居などでまとまった資金が必要になる可能性はないか」など、ご家族の将来のライフプランまで見据えたうえで、配偶者居住権を設定するかどうかを慎重に検討することが大切です。

古家付き土地は買って大丈夫?

土地探しをしていると、古い建物が残った「古家付き土地」をよく見かけます。

古家付きの土地は、更地にするための解体費用がかかる点がデメリットですが、建物があることで固定資産税が安く抑えられるというメリットもあります。購入後に年をまたぐスケジュールになる場合、あえて年明けに解体をすることで税金の負担を軽減できるケースがあります。

一方で、見落としてはいけないのが「契約不適合責任」の期限です。個人間売買ではお引き渡しから3か月間が責任追及の一般的な期限となります。この期間を過ぎてから地中埋設物が見つかっても、売主様へ費用を請求できなくなるため注意が必要です。

固定資産税の節約をとるか、それとも早期に解体して地中のリスクを明確にするか。お引渡しのタイミングによっては選択を迫られることもあるため、全体のスケジュールとリスクを慎重に見極めて進めることが大切です。

消費税裁判と建築基準法の改正

先日、不動産鑑定士の勉強会で中古住宅再生大手の消費税裁判が話題になりました。再販時に土地と建物の価格割合(按分)を調整し、消費税の還付を多く受けようとした行為が否認された事案です。

一方で、昨年、木造住宅の大規模改修時に建築確認申請が必要となる法改正が行われました。確認申請を出すと、自治体がリフォームによる建物の付加価値を把握しやすくなり、固定資産税評価の見直しにつながる可能性もあります。

一見別々の動きですが、もしかすると水面下で関係しているのかなと思ってしまいました。あくまで想像ですが、こうした一連の動きを見ていると、リフォームによる価値の増加を行政がより正確に把握し、結果として消費税や固定資産税の適正な課税につなげる方向に進んでいるようにも感じました。……少しひねくれた見方かもしれませんが…。

敷地を分割して売却・建築する際の注意点

自宅の土地の一部を分割して売却したり、新たに建物を建築したりする場合には、事前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。

まず確認したいのが、その地域に定められている最低敷地面積です。地域によって異なりますが、「これ以上小さく分割してはいけない」という最低限の敷地面積が定められている場合があります。この基準を下回ってしまうと、分割後の土地には新たな建物を建築できなくなる可能性があります。また、既存の住宅を残したまま庭などの一部を切り離す場合には、土地が小さくなることで、建ぺい率・容積率・斜線制限などの建築基準法や条例上の基準を満たさなくなるおそれがあります。その結果、既存建物が建築基準法等に違反する状態となる場合もあるため、十分な確認が必要です。

さらに、上下水道やガスなどのライフラインについても確認が欠かせません。前面道路に本管が埋設されていても、新たに引込管を設置できるか、既存の引込管をそのまま利用できるかなど、事前に確認しておく必要があります。

税金についても注意が必要です。自宅を売却する場合には、一定の要件を満たすことで譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「居住用財産の3,000万円特別控除」の適用を受けられる場合があります。しかし、土地の一部のみを売却する場合や、自宅の利用状況によっては適用要件が異なることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

このように建築・法令・インフラ・税務など様々な観点でのチェックが必要になりますので、十分な調査は行ったうえで進めることをおすすめします。

不動産会社の選び方

不動産会社はどのように選べばよいのでしょうか。

一般の方が「良い不動産会社」を見極めるのは簡単ではありません。そもそも、何をもって良い会社とするかは人それぞれです。

しかし、少なくとも注意した方がよい会社を見極めるための情報は存在します。その代表例が「行政処分歴」です。

行政処分とは、宅地建物取引業法などの法律に違反したり、不適切な取引を行ったりした宅地建物取引業者に対して、国や自治体が下すペナルティのことです。

神奈川県の場合、県のホームページにある「宅地建物取引業者に対する行政処分について」から確認することができます。

宅地建物取引業者に対する行政処分について – 神奈川県ホームページ

口コミ情報は参考になることもありますが、中には信頼性の判断が難しいものもあります。しかし、この行政処分の情報は自治体が公開している客観的な事実ですので、不動産会社選びの際に参考にすべき情報の一つと言えるでしょう。

不動産会社選びに悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。