事例紹介 PROJECT

STORY 011

障子の佇まいと木のぬくもりが調和する心地よい空間

※今回のお客様は奥様がライターのお仕事をされているということで、お言葉に甘えて奥様に家づくりストーリーを書いて頂きました。

■緑豊かな土地で
賑やかな町田の市街地から離れた築26年の家をリノベーション。周辺の環境は田んぼや畑があり、美しい里山景観が今もなお残っています。窓を開ければ鳥のさえずりや虫の音が聞こえる豊かな土地。 夫婦2人とも利便性よりも自然が多く残っているところで育児をして暮らしたいという希望があり、この物件の自然環境に惚れ込みました。
またお家に足を踏み入れた時、とても丁寧に住まわれてきたであろう空気感を感じて、いい雰囲気だったんですね。中古物件ならではの感覚だと思いますが、住まわれてきた人の暮らしぶりが家に宿っているというか。「このお家なら引き継いでいきたい」と思えた物件でした。

■山あり谷ありの家探し
当初は建売の物件をいくつか見学しにも行きました。しかし、真新しい雰囲気がしっくりせず、だったら、中古物件を自分たちの好きなようにリノベーションできたらと。それで自然素材を用いた家づくりが魅力の古今さんに依頼。その時点では不動産が決まってなく、アーキプロジェクトさんを紹介してもらい、物件探しからはじまりました。
旧住所からほど遠くないエリアに絞って足を運んだ物件は20軒以上。古今さんとアーキプロジェクトさんと一緒にリノベーションに適しているか、融資金額(物件金額+リノベーション費用)に見合う土地なのかを考慮しながら、一軒ずつ見て回りました。 建物や土地の知識が乏しかったので、専門家の方と一緒に物件を見て回れたのはとても心強かったですね。
さらに家づくりの希望条件として住宅ローン減税制度を受けたいというのもありました。受けるための要件の1つに既存住宅売買瑕疵保険の証明書を取ることが必須。検討した別の物件では、この瑕疵保険の調査に入る段階で売主さんの許可が下りず断念。落胆していた矢先、候補のエリアを広げて辿り着いたのがこの1軒家でした。

■リノベーションでこだわりの空間へ
食いしん坊の長男を筆頭に食べることが大好きな我が家には欠かせない食を作るところ、食べるところ。まずキッチンとリビングを中心に落ち着けて居心地のいい場所にしたいというのがありました。
キッチンとバックセットは、木製で造作してもらうことに。杉の無垢材に色味を落とした塗装を施し、使い込まれた空気感を演出しています。リビングは、ゆるやかな勾配のついた天井と柔らかな障子の光が調和し和やかな雰囲気に。元々の和室は、リビング続きのフリースペースにすることで開放的になりました。 無垢のフローリングは、柔らかく肌触りのよい杉材を使用。夏は涼しく冬は暖かく足触りが気持ちの良い材質です。キッチンと洗面所には、モルタル塗装の壁。ラワン材の天井など昔ながらの素材を取り入れ趣のある空間になりました。

■新しい家での暮らしがはじまって
4歳の長男は、床をゴロゴロしながらご飯を食べながら、時折「この家いいね〜」とつぶやいています。昨年生まれた次男は、縦横無尽にずりばいをしています。子どもたちが一番、肌で質感や空気感を感じ取っているのでしょうね。
これから天井や床、キッチンなどの木の質感が年を経ていくにつれ、色味や艶により深い表情を見せてくれるのが楽しみ。また、家の経年変化とともに子どもたちの成長の記憶が刻まれていく…。

設計・施工/株式会社古今

■物件概要
所在地/東京都町田市
用途地域/第一種低層住居専用地域
土地面積/182.48㎡(約55.20坪)
延床面積/108.48㎡(約32.82坪)
構造/木造2階建て
築年数/平成3年新築